1965年2月17日にガチャガチャのビジネスを日本に導入したペニイ商会(現:ペニイ)の重田哲夫氏。ガチャガチャを語る上では、必ず登場する重田哲夫氏の存在は大きいです。
その実弟である重田龍三氏は、今後ガチャガチャビジネスが日本で広まったいくことを見越して、ガチャガチャを設置するユーザーに対して、「ガチャガチャとはどういうものなのか」というのを説明するためのマニュアルを作っていたんです!
このマニュアルは日本にガチャガチャを導入した4年後に制作されました。今はもう発行されていない「アサヒグラフ」にも紹介され、ガチャガチャの設置が拡大されていく上で、ガチャガチャとは何なのかを説明する必要があったのではないでしょうか?
また、ガチャガチャのビジネスの心得と仕事の認識を社員に理解してもらうためのガチャガチャ教本になっています。
日本ガチャガチャ協会のオノーちゃん( @GachaOnoo )です。
ガチャガチャの定義とは? 子供たちに夢を提供することがガチャガチャビジネスだ!
ガチャガチャと自動販売機の違いについて、重田龍三氏が教本に書かれたものです。ガチャガチャとういう名称もないなか、自動販売機との違いが述べられていて興味深い内容になっています。
ガチャガチャという名称はないので VM:ベンディングマシーンと書かれています。実際にその当時 重田さんが、ガリ版の手作りで刷られた直筆教本で、以下のように書かれています。
自動販売機と名の付くものは我々の周囲にかなり多くみられます。二、三、例にとって考えてみてください。それらはいずれも買い手の希望通りの品が出てくるはずです。20円区間の切符を買うのに10円区間では、具合が悪いはずです。コーラが欲しいのにリボンジュースでは、客は怒るでしょう。ここで、我々の自動販売機(以下VMという)を見る事にします。中の玩具は、異種の玩具が、同型のカプセルに入って、高価なものから普通のものまで混入されております。高価な商品(目玉といいますが、略語でPZ(ピーゼット)ともいいます)が、一台のVM中に約30個入っております。全体で300個くらい入ります。客は、10円コインを入れても何が出てくるのかわかりません。ここが、一般の自動販売機と大きく異なる点です。
ガチャガチャの設置場所は?
ガチャガチャビジネスに対する重田氏の想いがひしひしと伝わってきて、正直感動してしまいます。子どもに夢を提供するのが、ガチャガチャビジネスだと重田氏は言っています。
何が出るのが解らない、というギャンブル性が少々加味されています。我々はこれを、『夢』 といいます。このギャンブル性が大きくなれば、『悪夢』 になります。無心な子供達に対して、健全な夢を売るためには、我々の商品が、イカガワシイ物であってはならないのです。
2)自動販売機による販売方法
VMを使って物を売る事は、漁師が魚を捕るようなものです、つまり漁場でない処にいくら良い餌をつけても収穫はゼロです。VMを野原の一軒屋に置く人はいないだろう、これは、雨水のたまりに糸をたれているのと同じです。
何の商品が売れるのか?を考える
ガチャガチャをどのようにしたら売れるのかという視点で、ガチャガチャのマーケティング理論を述べています。
今でもこのガチャガチャのマーケティング理論は十分に通用するもにですね。
イ・・・ロケ先の性質を知る事
これは客のこのみの問題です。非常に売れる商品の傾向、ロケ先のVMの位置
客の流れ、近接店の状況、他社の状況等がポイントになります。
ロ・・・手持ちの商品はどんな種類か10円売りの商品はPシリーズの他3~4種 PZ(当たり商品)の種類指輪シリーズ ディスプレーの工夫確実
ロケーション先の性質を知る事と手持ちの商品はどんな種類かが重要
重田龍三さんが昭和44年2月7日に発行されたガチャ教本こそが、現在のガチャガチャのビジネスの原点です。ガチャガチャのビジネスの井戸を掘り、レールを引いてくれた、ガチャガチャの功労者に感謝しきれません。
ちなみに ペニイ商会創始者である重田龍三氏と今野産業創始者の今野明久氏は、1936年11月3日で同じ誕生日。まさにガチャガチャ神様が同じ誕生日なんて、何という偶然なんでしょうか。
1965年にガチャビジネスを始める両氏の年齢は29歳!!!
今野明久氏は2016年3月26日に永眠80歳まで現役で最後の最後までガチャガチャに携わっていた。
まさにガチャガチャ業界50年!ガチャガチャ神様です!!
「オノーちゃん、缶バッチばっかつくってんじゃねーぞ!!」
今野社長のお叱りの声が聞こえる!!
んじゃまた!!!