前回は、ユージン(現タカラトミーアーツ)から誕生したSRシリーズのお話をさせていただきました。今回はなんでSRシリーズに全日本プロレスラインナップさせたのか?をお話致します。
ガチャガチャ・ガチャポンラボ所長のオノーちゃん( @GachaOnoo )です。
SRシリーズで全日本プロレスを選んだ理由
バンダイに比べたら貧弱なユージンは、コンテンツを多くもっておらず、独自路線を取るしかなかったために、どのコンテンツをSRシリーズにしようかと悩みました。
企画メンバーはオノーちゃん含め5人。オノーちゃんはプロデューサーという形でライセンスを取得する側に回りました。
ただ、一番最初のタツノコヒーローコレクションだけ携わりましたね。
全日本プロレスでは、ユージンに出入りしている広告代理店で全日本プロレスが好きな方がいてたんです。とくに馬場正平社長の大ファンでしたwww
確実のファンもいるしやりましょうよと熱く熱く語っていたのを覚えております、熱く言われると売れる気分になり、早速全日本プロセスに直接電話しアポを取りました。
六本木にある事務所を訪ね、ガチャガチャビジネスの事をまずは話しますが、「ガチャって何なのか」というところから説明しなくてはいけません。なぜなら、その当時ガチャは子供のものやチープなものと認識されていたからです。
オノーちゃんは、ほんと説明するのに苦労しました。担当の方は、レフリーをやられている方で広報も兼務しており、商品化に関してはありがたいことに積極的に協力していただきました。
あの「週刊プロレス」にも選手と一緒にフギュアを撮影して掲載してくれました。
というわけで、全日本プロレスはユージンがコンテンツが無いのと広告代理店の方の全日プロレス愛で生まれたというわけです。
全日本プロレス 先行販売会場に馬場夫妻登場
先行販売は日本武道館でやることは決めていました。そのため、武道館の会場脇にガチャマシンを並べて商品をセッティングしました。
プロレスファンがガチャ商品を買ってくれるかみんな不安でしょうがない状態です。そんな中、日本武道館から出てくる大きな巨人がガチャマシンのほうに近づきてきます。なんと馬場社長自らガチャガチャを見に来てくださるではありませんか。
馬場社長のオーラがすごくてみんな緊張でカチカチになっていました。元子夫人も一緒にきてくれ、さらに緊張MAXです。
そんな中、馬場社長がガチャガチャを回したいと言い出しました。ガチャガチャのマシンのハンドルを回したいとのこと。マシンが小さいおもちゃのように見えます。元子夫人から100円玉をもらいコインを自ら2枚入れ、手が大きいので入れにくそうです、ハンドルを回します。
「正直、壊れるのでは?」と思いながらリズムよくガチャガチャとう音が鳴り響きます。
がなんとカプセルが出てきません!!!アウトです、やばい、どうしたのという馬場社長の顔、そして元子夫人の何やってのよというお叱りのお言葉。もう一回お願いしますとコインを渡し再度ガチャのハンドルを回してもらいました。
ガチャガチャというここちよい響きの中カプセルがころりんと出口へ、出てよかった!
カプセル出てきたのですが、開け方に馬場社長はよくわからず、オノーちゃんがカプセルを開けます。なんと、フィギュアはジャイアント馬場でした。フィギュアを見ながらの馬場社長の笑顔と「頑張ってご苦労さん!」の声を聴いてみんなほっとしました。元子夫人の目はずっと鋭かったけどwww
SRシリーズの全日本プロレスフィギュアの購入者は女性に人気だった
試合は夕方から始まるため、昼過ぎからお客さんが会場に集まるようになります。ガチャガチャを目当てにきてくれたお客さんが多く、少し私たちもほっとしていました。
そこで、オノーちゃんは気づきまます。並んで購入しているお客さんを見ると意外と女性の客が多いのです。
「チーママ風の方が多くプロレスファンに女性も増えてきたんですよ」と担当のレフリーの方も言っていたのを聞いていましたが、ここまで多いとは思いませんでした。
ガチャの買い方がわからない人がほとんどな状態。ガチャのやり方を教えてあげるという微笑ましい光景が試合前に繰り広げられていたのです。
この日に、メインイベントは三沢VS小橋です。女性三沢ファンがガチャガチャを回して三沢フィギュアがでるまでガチャガチャ回してくれました。お目当ての選手が出ないとゴミ箱に捨てたり、レフリーの方が救出しておりましたwww
馬場社長の永眠
全日本プロレスのガチャシリーズは、そのあと会場をガチャマシンとともに巡業します。どこの会場も馬場社長自ら商品を購入していた方にサインをしてあげていました。
後楽園のリング上は販売スペースが狭く、馬場社長のサインをしている姿を見ながらガチャガチャを販売していたのです。
馬場社長は間もなく病気になられて、私たちは復帰できるように願掛けで金色の馬場社長を製作させてもらいます。しかし、わたしたちの復活の願いもかなわず馬場社長は永眠されてしまいました。馬場社長は生涯現役であり全国民から愛されていた国民のスターでした。
亡くなられて少し経ってから、元子夫人からお電話があり馬場社長の原寸大のフィギュアを製作したいというお話をいただき、製作会社を紹介させていただきました。
日本武道館で声をかけていただいたこと忘れません!
「王道」 全日本プロレス
んじゃまた!!!